家がわからない、というので、駅のほうまで迎えに行きました。暑い日で、日傘を使おうと思いましたが、風が強くて無理でした。強い風に逆らって、傘を支えられるほど、手が自由にならなかったのです。脚を支える装具の中がぐしょぐしょになるほど、暑い日でした。
友だちは、あまりキレイではない我が家に、ほとんど文句は言いませんでした。
すぐに施術、というより、問診がはじまりました。今までの経過、今の症状などを話し、それから施術…という順番でした。
ツボ、というのは面白いもので、たとえば肩が痛むからといっても肩にツボはなく、全然違った場所にツボがあるのです。そこをほぐせば、肩の凝りがよくなる、という不思議な仕組みです。
私の場合も、手首が痛いのに、ほぐした場所はまったく違う場所でした。すごく凝ってゴリゴリしていたようで、
「ここ凝ってたら誰でも痛くなるわー」
と言われました。もしかして、痛みはただの凝りが原因かも、とも。
そして、あちこちに鍼を打ち、なんと頭にも3本打ちました。鍼のシールもあり、エレキバンみたいなシールの中に、短い鍼があるようです。
マッサージも、お灸もしてもらいました。お灸は、意外に気持ちがよくて、ホッとするひとときでした。
友だちがびっくりしていたのは、私の脈が弱いことでした。
「病が深い…身体が弱ってるよ」
と言い、虚証という体質に陥っていることを教えてくれました。
「食べてる? 寝てる?」
食欲がなくて食べれていないこと、眠れないことを伝えると、彼女はこう言いました。
「栄養失調もあるよね」
びっくりして、ザワザワしたのを覚えています。
「とにかく、お肉と野菜をしっかり食べること。あんたは仕事を抱え込みすぎ。頑張ったのはわかったから、今度は休みなさい。病気を言い訳にしてもいいから」
そう言うと帰っていきました。
すごく効いた…らいいのですが、効いたかなと思ったのはものの2日くらいの間でした。
3日目には、もうとても痛くて、だるくて、
(この効き目は儚いなあ…)
とつくづく思ったのです。友だちも、鍼灸マッサージは、週に2回はやらないといけない、と言っていました。
また、痛みの海にどっぷり浸かったままです。